大阪・関西万博のマルタパビリオンに行ってきましたので紹介したいと思います。
私は2024年の6月にマルタ観光&留学をしまして、6千年の歴史を持つ石造りの神殿郡やマルタ人のおもてなしの心に触れてマルタが大好きになりました。
そして、万博ではパビリオンにレストランが併設されていると知り、日本では購入できないマルタのビールCISK(チスク)が飲めるのでは?とパビリオンへの訪問を楽しみにしていたのです。
記事にする予定がなかったため良い写真があまりないのですが、展示品されている鎧と甲冑が実はすごいものだったという事を先日知り、これは紹介しなければ!と今パソコンに向かっております。
マルタパビリオンは予約不要で入りやすいので是非参考にしていただければと思います。
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それではいってみましょう!
マルタ共和国とは
マルタ共和国は地中海に浮かぶ3つの島からなる島国です。日本でいうと淡路島の半分くらいの大きさで、イタリア半島の下に位置しています。
首都はバレッタ。
地理的な関係で軍事拠点として利用する目的で攻め入られた歴史が多く、バレッタは要塞都市として発展しました。
イギリスに長期間統治されていたことから、マルタ語の他に英語が公用語として使われています。車も右ハンドルです。
マルタ人の英語教育の場が数多く作られた名残で語学学校が多く、数多くの語学留学生を受け入れているのが特徴です。
また、マグロの養殖が盛んで、クロマグロの多くが実は日本に輸出されているという日本との意外なつながりがあります。
現在はオンラインゲーム産業や仮想通貨などの金融サービス業で経済成長を遂げているそうですが、マルタは年間250万人以上の観光客が訪れる観光立国。小さな島国なのに色んな国の人と触れ合う機会が豊富な国だなと思いました。
私個人的には、エジプトのピラミッドよりも古い歴史を持つ石造りの神殿郡が好きでして、宇宙を完璧に理解していた人たちが造ったとしか思えない建物にただただ驚かされました。
それと、第2次世界大戦中に被爆を免れた奇跡の教会ムスタ・ドームもおすすめです。
マルタパビリオンがニュースになった理由
開幕前、マルタパビリオンが全国のニュースで紹介されたのをご存知でしょうか?
マルタは自前でパビリオンを建設する「タイプA」での参加国なのですが、着工に必要な最終段階の書類である「工事許可申請」を提出した最後の国だったのです。
マルタパビリオンの着工の許可が降りた2024年12月9日に、47カ国全てのパビリオンが着工したというニュースが流れました。
マルタよ、遅すぎやしないか?と不安になったのですが(笑)、「タイプA」で出展いただけるというのがありがたく、全国のニュースで紹介されて良かったなあと思いました。
無料で宣伝できて、ある意味持ってる。
マルタパビリオンはテストランには参加せず
1万人の第九に参加したおかげで、4月6日のテストランと開幕日に万博へ行けたのですが、
気になるのはマルタパビリオン建設の進捗状況でした。
結論から言うと、テストランの時はまだ工事中で、中の様子もまったく分かりませんでした。
たまたま、パビリオン建設をしている方と話が出来たのですが、開幕日には絶対に間に合うから心配しないで!と言われました。
不安でしかなかったですが(笑)、間違いなくCISKは飲めるという情報だけはゲット出来たので、開幕日にオープンされることを願うばかりでした。
マルタパビリオンは予約不要
開幕前に調べた方ならご存知かと思いますが、マルタパビリオンも事前情報がほとんどありませんでした。
公式ガイドブックにも、中身がまったく想像できない説明文しかなく、いったい何があるのか分からないという状況。
幸い、開幕日にマルタパビリオンはオープンしており、実際に中に入ることが出来ました!
海沿いの通りに面した壁全面に曲線を描いた大きな液晶ディスプレイが設置してあり、中央に入口があるというもの。入口に向かう通路の両脇に浅い池が施された、黒を貴重としたシックなデザインです。
大きな液晶ディスプレイにはマルタの観光名所やモザイクタイルなどが次々に映し出され、パビリオンの入場を待つ人々の目を楽しませてくれます。
写真はマルタの神殿の門が映し出された時に撮ったものですが、海辺の土地に建てられ、朝日の入る角度から夏至を完璧に把握できるイムナイドラ&ハジャールイム神殿のようだなと思い、一人感動してしまいました。
日本にいながらにしてマルタを感じられるのがありがたすぎる。
建物の側面にはマルタのモザイクタイルがデザインされてるのでそちらもチェックしてみてください。
マルタパビリオンは予約不要で入れます。10分〜15分置きに数十人づつ案内されるので、そんなに待たなくても大丈夫です。
ただ、日差しを避けるものが何もないので、夏に入る前に行くのが良いかもしれません。
マルタパビリオンのレストラン
マルタパビリオンにはレストランが併設されています。パビリオンの中に入らずとも利用できるようになっていて、レストランで食べるか、テイクアウト用の売店で購入して外で食べるかを選ぶことができます。
一番のおすすめはやはり、マルタのビールCISK(チスク)です。
全くクセがなく飲みやすいビールなのですが、暑い日に飲むと最高に美味しいです。日本では流通しておらず、今のところこの万博会場でしか買えないのではないでしょうか。
マルタに行くと、街のいたるところにこのCISKカラーの黄色い看板やパラソルが設置されたお店があり、放課後に友達と1杯飲んで帰るのが楽しかったです。
マルタパビリオンでは現地のレストランで飲む倍位の値段で提供されていますが(1本千円)、マルタに行くことを考えれば安いものです。なかなか買えないので、テイクアウトしちゃいました。
CISKは和食にも合うのです。
(レストランでは写真のサイズではなく、スリム缶などで提供されてます)
さて、レストランにはなく、テイクアウト用の売店でしか買えないマルタのソウルフードがあります。それがPastizzi パスティッツィ。(1個600円)
この写真はバレッタで食べた時のモノです。
パスティッツィは現地ではかなりお安く提供されていて(1ユーロしなかったと記憶しております)、マルタ人が太る原因と冗談で言われておりました。
カロリーモンスターとの異名を持つリコッタチーズのパスティッツィはかなりの食べごたえです。
パスティッツィはいろんな具材をパイ生地で包んでオーブンで焼いたもので、リコッタチーズかえんどう豆と玉ねぎを煮込んだものが伝統的なレシピだそうです。
私が行ったときには「今日はえんどう豆です。」ってお店の方が説明されていたので日によって変わるのかもしれません。
お値段は万博価格と感じるかもしれませんが、円安という状況で、日本で流通していないビールが飲めたり、日本では食べる機会のないウサギ肉の料理を体験出来る事を考えると良心的に思いました。
ちなみに、マルタ料理専門店は国内では東京に1軒だけな模様。
またとない機会なので、是非お試しあれ!
↓読売テレビさんのニュース動画が良き↓
イル・フティーラというサンドイッチとウサギシチューのスパゲッティを紹介されています。
マルタパビリオンで楽しめること
パビリオンに入場すると、大きくカーブした巨大スクリーンのある円形のスペースにまず案内され、マルタの観光名所や歴史などが紹介されたイメージ映像を楽しむ事ができます。
↓3枚目に内部の写真あり↓
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そして歴史的遺物のレプリカ3点などの展示品を観て退場するという流れになっています。
この動画の上映時間が入場までの待ち時間って感じでした。
映像はとても綺麗で迫力があったのですが説明がなく、
展示物にも特に説明がなく、
正直なところ物足りなさを感じて退場
これから説明などを増やすなどの改善をしてほしいなあと思いました。
とにかくもったいなかった!
(現在は説明文などが設置されているようです。)
というのもね、実はすごい展示物があったんですよ。
マルタパビリオンの見どころは鎧!
場内の一番目立つところに日本とマルタの鎧が並べて置いてあったんですよ。
目を引かれたので写真は撮ってはみたものの
日本とマルタの鎧の比較をしてくれはったんやなぁ
日本のモノをわざわざ用意してくれてありがたいなあ
くらいにしか思ってなかったのですよね。
でも、後日マルタの遺跡や歴史的建造物を管理・運営しているHeritage Maltaさんのインスタを観て度肝を抜かれました。
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なんと、この鎧、福沢諭吉が若い頃に通訳として参加してた文久遣欧使節がイギリスに向かう途中に立ち寄ったマルタで寄贈した3体の鎧の一つだったらしいのです。
日本人として初めて博覧会を観た人たちが贈った鎧が、時を経て日本の万博で展示されてるというなんかすごいことが起きてるんです!!
この3体の鎧は、第2次世界大戦まではバレッタにある the Grand Master’s Palace(騎士団長の宮殿)の武器庫で展示されていたそうなのですが、爆撃を避けるために地下倉庫に移動され、そのまま2016年まで忘れ去られていたため、湿気による劣化で展示不能な状態だったそうなんですよ。
それを現駐日マルタ大使の尽力で、1年半かけて京都で修復され、万博で展示されたとのこと。
↓修復作業の様子↓
撮影&編集した人センス良すぎ!
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ガラスケースには入ってたけど、そんなに貴重なものだとは分からなかった〜。
実はすごい展示品だったのでもう一度。
最近のものにしては派手派手しくないなあと思っておりましたが、160年以上前に作られた家老級が身につける鉄製の高級甲冑だそうです。
さりげなく横に立ってるのも聖ヨハネ騎士団の歴史的価値の高い甲冑だそうで、
アピールしなさ過ぎてて泣けた。
それにしても、鎧を3体も寄贈するだなんて、私の感覚では使節団はマルタでものすごいおもてなしを受けたのかなあ?と想像するのですが実際はどうだったのでしょう。
ぜひぜひマルタパビリオンに足を運んで日本とマルタの歴史に思いを馳せてくださいませ。
鎧の修復に尽力された駐日マルタ大使のアンドレ・スピテリさんのX
大阪・関西万博マルタパビリオンでの公開がNHKで紹介されました。
パビリオンではこの歴史的甲冑のほか、マルタの伝統料理もお楽しみいただけます。ぜひマルタの魅力を体感しに来てください!https://t.co/ur5NU2b7iZ
— André Spiteri アンドレ・スピテリ (@a_spiteri) April 18, 2025
最後に
マルタパビリオンについて紹介してみましたがいかがでしたでしょうか?
日本とマルタの意外な歴史が感じられ、日本にいながらにして、地中海の美しい島国の食文化を楽しめるレストランも併設されている素敵パビリオンとなっています。
何より、自前でパビリオンの建設をするタイプAでの参加や、CISKなどをどっさり日本を運んでくださった心意気に、日本と仲良くしたいという気持ちを感じずにはいられない場所でした。
ちなみに、展示されている鎧は万博終了後マルタに戻り、首都バレッタにあるthe Grand Master’s Palaceに展示されるそうです。またマルタに行けるならば必ず会いに行こうと思います。
個人的にはこの万博を機にCISKが日本に流通したら良いのになと思っております。
サントリーさん辺りが代理販売とかしてくれないかなという願いを込めて。